黒潮の巨大なエネルギー(北への航海)

北赤道帯で発生し、大海原の中の巨大な河となった黒潮は幅200メートル、最高時速

10キロメートル、水深700メートルのスケールで、沖縄本島の西130キロ沖を北

めざしさかのぼっていきます。(北への航海はこの黒潮のエネルギーを利用)

久米島のわずか30キロ先の海上を、黒潮が走り抜けます。

この巨大な河は、海面が2メートルも盛りあがり、表面の色がこく、海の中でもハッ

キリと識別することが出来ます。

季節風のエネルギー(南への航海)

南へ向かう時には季節風と、島や半島にあたって南へ下りてくる上記黒潮の反流を

利用しました。

北から南に吹くミーニシ(沖縄で10月から翌年の2月まで吹く季節風)、南から

北へ吹く南風(ハエ)(5月ごろ吹く季節風)は陸上では風速7,8メートルですが、

海上では、10、15メートルの強風になります。数千年も前から古代人は、この風

をとらえて自由に航海をしていました。

毎年10月頃、中国に貢ぎ物をはこぶ琉球王国の進貢船は、那覇の港を出て最初に

久米島に向かい久米島で停泊し、その季節風を待ちとらえて中国・福州へ旅立つ

わけです。

なぜ直接、那覇から福州へ向かわないで一度、久米島へ渡るのか?それは最短距離で

黒潮を乗り切るためにです。久米島の30キロ西方を流れる黒潮を横切るためには、

強い北風をとらえて、一気に乗り切らなければなりません。さもないと進貢船は、

黒潮の流れにおしもどされ、ときには韓国の済州島や、宮城県の金華山沖まで流され

漂流船となってしまいます。

下図で表すと、鳥島(射爆訓練場)の直ぐ北近くを黒潮が流れることになる。
上のエネルギーを利用した航海は久米島が最適な停泊地であったことがわかります。
参考文献 琉球歴史の謎とロマン その1 亀島 靖 著
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